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個人年金保険とは
個人年金保険とは、保険の仕組みを使い、保険料の拠出が前提となっている年金制度。 先進国の年金はほとんどが保険料の拠出を前提とする制度を採用しており、財源を税のみで給付する制度は被害者補償の年金など対象者が狭く限定される。
公的な社会保険の場合、医療保険・労災保険・雇用保険・介護保険と並べて論じられる場合が多い。
公的年金保険
社会保障制度の一種で、主に政府が運営する。給付事由は、老齢・障害・遺族の三種類ある。財源は基本的に保険料であるが、税が投入されることもあり、日本の国民年金は保険料の3分の1を国が負担しており、2009年度までに2分の1へと引き上げがなされることとなっている。
民間年金保険民間金融機関が運営する。保険料の運用リスクが公的年金よりも高い。「個人年金保険」ともいう。
年金の受け取り方には、主に以下がある。
●終身年金 - 受け取り開始年齢に達してから、被保険者が死亡するまで受取人に年金を支払うもの。
●保証期間付終身年金 - 終身年金の内、初めの10〜15年間に関しては被保険者がその間に死亡しても、受取人またはその相続人に保証期間の終了まで年金を支払うもの。
●確定年金 - 被保険者の生死に関係なく、5〜20年など定められた期間は受取人に年金を支払うもの。貯蓄の取り崩しに形態的には最も近い。
●有期年金 - 5〜20年などの定められた期間の内、被保険者が生存している間のみ年金を支払うもの。
●保証期間付有期年金 - 有期年金の内、初めの5〜10年間は保証期間として、被保険者の生死に関わらず年金を支払うもの。保険金にかかる税金は、日本の税制では以下の通りになる。
●契約者=受取人 の場合(被保険者は無関係) - 所得税
●契約者≠受取人 の場合(被保険者は無関係) - 所得税、贈与税
かつては保険会社・郵便局(簡易保険)・農業協同組合などで専ら取り扱ってきたが、1990年代後半の金融改革に伴い、銀行や証券会社でも販売されるようになった。
定額年金保険
契約した段階で、将来受け取る年金額が確定するもの。契約時の予定利率に保険の受取額が大きく左右されるため、1990年代後半〜2000年代のようにそれが低い段階での契約は一般的に損とされる。
また、インフレーションなどへの対応がしにくいといった問題もある。
終身保険や養老保険など、貯蓄型生命保険は多くの保険会社において、満期時ないしは支払い終了時に、定額年金へ切り替える事が出来るようになっている。
変額年金保険(投資型年金)
1990年代に現れた個人年金保険で、投資信託の制度を取り入れたものである。基本的に契約者が保険の運用に対する指示を行い、その成果に基づいて年金額が決定する。元本の保証は基本的になされないため、自己責任に基づく年金制度といえる。ただし納付額の100〜110%等、年金原資の最低保証を定めたタイプも生まれてきている。
また被保険者が死亡した場合は、最低でも納付金額分の死亡保険金が支払われる。
現在定期的な収入があるような立場の利用者としては月払い・年払いといった分割払いの方が利便性が高いと言えるが、多くの金融機関では退職金を運用するような層を主要顧客として想定しているため、一時金を一括して納めて運用する一時払い型の商品が圧倒的に多い。
変額保険とは
変額保険(へんがくほけん)とは生命保険のうち、その死亡保険金額や解約返戻金、満期保険金の額が運用に応じて変動するものをいう。投資信託などの仕組みを取り入れた保険ともいえる。ただし「保険商品」であるため、死亡保険金額については最低保証が定められている。また変額保険に対し、一般の生命保険を「定額保険」ということもある。
種類
販売された当初は、生命保険会社が定める一つの運用勘定に運用を委託するものがほとんどであったが、現在では保険会社が内部に設けた、あるいは外部に委託したいくつかの運用勘定(日本株式・外国債券etc.)から、契約者が自由に組み合わせて選択出来るものが主流になっている。いずれにしろ、自己責任の制度に基づいたハイリスク・ハイリターンの商品といえる。
保険料の支払いは、月払い・年払いなどの分割払いのほか、一時払いもある。有期型では保険期間中に死亡しなかった場合、後者の方が支払う保険料総額は低い。終身型の場合も、平均寿命辺りまで生存した場合は、多くの場合一時払いの方が総額が低くなる。
有期型変額保険
定額保険の「養老保険」に該当するタイプの商品で、10〜30年の定められた期間の間運用を行い、保険契約終了時に満期保険金が支払われる。
終身型変額保険
定額保険の「終身保険」に該当するタイプの商品で、契約後に保険料を終身ないしは一定期間(10〜40年)納め、契約期間中ならばいつ死亡した場合でも死亡保険金が支払われる。
変額保険を巡るトラブル
変額保険は日本においてはバブル景気時代の1989年〜1991年に、生命保険会社が銀行と共同して大々的に販売した。この時は地価の高騰により、高齢者を中心に相続税対策が問題となっており、その対策としてというキャッチコピーであった。
大きな運用益を狙うためには保険金額を高額に=保険料を高額する設定することになり、高額の保険料を一時払いするために銀行が土地などを担保に保険料を貸付し、保険の運用益で返済を行わせるという仕組みをとった。返済途中で被保険者が死亡しても、負債は保険金を得て完済できる。また保険金には別途の控除枠があり、相続税対策になるとした。
しかし、バブル崩壊後の運用環境の悪化で運用成績が極端に落ち込み、多くの保険契約で解約返戻金が元本割れの状態に陥った。結果として銀行からの借入金の返済が困難になり、担保の土地・建物を競売にかけられて失う例も出た。不動産価格の下落のあおりを受けて担保を差し出しても借入金を賄えず、なお返済を迫られる例もあった。また最低保証のある死亡保険金を獲得し、負債返済に充てるために被保険者が自殺する例も出て、社会問題となった。
契約時、銀行と保険会社が商品のリスクに関する説明を契約者に対して行うのを怠ったとして、全国で訴訟が起された。その多くでは、契約者側の過失もあるとしながらも、販売者側の過失を認め損害賠償を支払う事が命じられた。
この問題のため、大手生保では変額保険の取り扱いを止めたところも現れており、現在この保険を販売しているのは外資系生保が中心である。なお、現在の変額保険には、運用成績が悪く最終的に元本を割り込んだとしても満期には元本を保証する商品も存在する。
責任準備金問題
2005年4月、それまで保険会社個々の判断に任されていた変額保険及び変額年金の責任準備金に関して、保険会社の保険支払能力を高めるため、一定の金額を積み立てる事が金融庁の方針で定められた。
バブル崩壊後に運用環境の悪化から販売が低迷していた変額保険であったが、2000年代に入って定額保険より契約時の予定利率が高くなる(定額保険が1.5〜2%に対し、変額保険は4.5%程度あった)ことから、定額終身保険の代わりとして保険料が安い終身型変額保険の契約高は増加傾向にあった(予定利率は貯蓄型保険の死亡保険金を計算する際の指標の一つとなるため、高まるほど保険料は下がる)。
しかし、変額保険はもともと定額保険より保険会社が受け取る利益が少なく、更には被保険者が死亡した時の運用資産が最低保証を下回った場合は、保険会社が制度に基づいて死亡保険金との差額を支払う必要があった。
このため、責任準備金積み立て制度により更に保険会社側のリスクが高まると考えられたことから、いくつかの会社で変額保険の新規募集を停止し、継続する所でも概ね予定利率を引き下げ(4.5%から3.5%程度へ)た。
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